読書記録

自分を操る『超集中力』DaiGoさん

1.集中力を自在に操る3つのルール

ルール1.集中力の高い人は、鍛え方を知っている

集中力の源は、前頭葉のウィルパワー
集中力が湧き出す泉は、額から2~3センチ奥の前頭葉にある。私たちは進化の過程で前頭葉を大きくし、他の動物にはない力を獲得した。それが思考や感情をコントロールする力である。この力は「ウィルパワー」と呼ばれる。ウィルパワーは前頭葉の体力のようなもの。ウィルパワーにも一定の量があり、集中力を使う度に少しずつ消耗していく。ウィルパワーは良い睡眠を取る、エネルギー源となる食事を心がけるなどの行動によって補給できる。
■ウィルパワーの2つの特徴
①ウィルパワーの総量には限りがあり、集中力を使うことによって消耗していく。
②ウィルパワーの出どころは1つしかない。
●何か決定しなくてはいけない細かいことを、頭の中で「やりかけのまま」「先延ばし」にしておくと、無意識に気にした状態が続く。これを「決定疲れ」といい、決定を放置し、後回しにした場合にウィルパワーが消費される。人は、行動ではなく「意志決定」で疲れる
●だから決断はすぐに下したほうがいい。即決できる仕組みをつくったほうがいい。
『バッチ処理』=細かい仕事は、1日の終わりなど、どこかの時間にまとめて片づける。コツは、まとめて最後にやること。用意するのは大きめの付せんだけ。仕事や勉強中に、やらなくてはいけない雑事を思いついたら、いったんメモして、すぐに頭の外に出しておく。
●集中力の高め方は、「①ウィルパワーを増やす」「②ウィルパワーを節約する」の2通りしかない。

ルール2.集中力の高い人は、実は長時間集中していない

「環境」強制力として活用する方法が有効である。私のデスクには、開きっぱなしのノートペンなどしか置いていない。環境づくりでポイントになるのが、自分を行動しやすくすること。選択肢やモノを減らし、集中力を奪う迷いや決断を減らす。私がノートを開きっぱなしで置いている理由は、「ノートを開く」という決断だけでも、ウィルパワーは消費されてしまうからである。

ルール3.集中力の高い人は、「疲れ」を脳でコントロールしている

脳が感じる疲労感は単なる思い込みで、やる気やモチベーションが下がったというのも主観的なもの。
●無意識に秘められたパワーは大きい。集中を妨げる「幻想の疲れ」を打ち砕け。

2.高い集中力を生み出す7つのエンジン

エンジン1.場所

●部屋や机をきれいな状態に保っておく。「片づけ」は、集中力を起動するスイッチになる。
●机に「鏡」を置くと、集中力が高まる。
●スマホや不要なモノから離れるほど、集中力は高まる。目的に応じて自分だけの「集中ルーム」を持っておこう。

エンジン2.姿勢

●集中力の源であるウィルパワーを司る前頭葉のエネルギー源ブドウ糖酸素である。この2つを脳に送り届ける役割を担っているのが「血液」である。脳へ向かう血流と密接に関係しているのが「姿勢」である。
●仕事も勉強も立ってやるのが一番いい。スタンディングデスクの長所は、立ったまま作業ができること。座っている状態よりも自然に姿勢も良くなり、また第2の心臓と呼ばれるふくらはぎがよく動くので血流も改善する。
●時間をかけずに、その場で集中できる方法が「姿勢」。まずは15分に一度、立ち上がることから始めよう。

エンジン3.食事

ナッツ類は、たんぱく質を含む理想的な低GI食品であることに加え、亜鉛、ビタミンE、ビタミンB6などが豊富に含まれている。これらはいずれも集中力、思考力を高める成分である。こまめにナッツを摂ることで、脳にブドウ糖を補給し、集中力を回復させていく。

エンジン4.感情

「怒り」は、行動力問題解決力を高めてくれる。
●怒りは生存本能と最も密接に結びついた感情である。怒りの感情には、人を突き動かす強い力が秘められている。「悔しいからがんばる」「見返してやるために努力する」といった怒りのエネルギーは、目標達成や問題解決の原動力になる。
●怒りの感情のピークは短い。怒りを感じたときは、その直後自分が一番やるべきこと目標にしていることに取り組む。

エンジン5.習慣

ウィルパワーを節約するには「習慣化」が一番である。「習慣」を身につけるコツは、判断や決断を減らすこと。ウィルパワーをなるべく使わずに判断や決断ができる「仕組み」をつくる。
●面倒なことで悩まないために、仕組みに働いてもらおう。即時判断の習慣が、ウィルパワーを溜めてくれる。

エンジン6.運動

●運動は、脳のリセットボタン。脳が鍛えられ、おまけに疲れにくい体質に変わる。

エンジン7.瞑想

●瞑想を習慣にすると、1日に好循環が生まれる。脳がデトックスされ、ポジティブな感情が持続する。

3.疲れをリセットする3つの回復法

キュア1.睡眠

●ウィルパワーの回復に必要十分な睡眠時間は、人によって異なる。その人が必要とする睡眠時間は遺伝子によって決まっている。
●毎日3~4時間の睡眠で元気に過ごしているのが、「ショートスリーパー」に分類されるタイプの人たち。ショートスリーパーは驚くほど短い睡眠時間で疲れを回復させることができる。ナポレオンやエジソンなど。彼らは夜、まとまった睡眠時間を取る代わりに、「昼寝」の習慣があったと記録されている。
●日中にウィルパワーを回復させたいなら、パワーナップと呼ばれる仮眠がオススメである。パワーナップは、目を閉じ、じっとして休息することで疲れと眠気を取り去る脳の回復法15~20分のパワーナップは、夜の3時間の睡眠に匹敵し、回復した集中力や注意力は150分持続する。

キュア2.感覚から癒やす

●脳が処理している情報のうちの8割以上は、視覚を通して集められている。目を使えば使うほど、脳に送られる情報は増え、その取捨選択のためにウィルパワーは消費されていく。
5分ほどの短い時間でも視覚情報をシャットアウトすると、目薬やマッサージを上回る疲労回復効果がある。
●目は、脳につながる大切な器官。疲れる前に視覚を5分閉ざして、集中力を取り戻そう。

キュア3.不安を書き出す

●不安を紙に書き出すことで心配事が外に吐き出される。その結果、ワーキングメモリーがリセットされ、空き容量が増える。

4.集中力を自動でつくり出す5つの時間術

時間術1.超早起き

●脳は、朝起きてから2時間の間に最もクリエイティブな力を発揮する。その2時間をフルに活用するため誰にも邪魔をされない早朝に起き、睡眠によって回復した十分なウィルパワーをクリエイティブな発想に費やす。

時間術2.ポモドーロ・テクニック

●人間の体になじみやすい、「25分+5分サイクル」で成果を積み上げよう。

時間術3.ウルトラディアンリズム

●自分なりの「90分+20分」の波をつかめたとき、集中力は最大化される。

時間術4.アイビー・リー・メソッド

●1つの作業が終わるまで、断固として次のことをやらないという仕組みづくりである。
●潜在意識の中では「あの作業も終わっていない」「この作業もまだだ」という感覚が強くなり、ウィルパワーを消耗させてしまう。
メソッド
①紙に「明日やるべきこと」を6つメモする。
②その6項目を重要だと思われる順番に番号を振る。
③翌日、このメモの順番に従って仕事を進める。
④もし全部できなかったら、悔やむことなく忘れる。
⑤その後、明日のための6つの項目を新しくメモする。
⑥①~⑤を丁寧にくり返す。

時間術5.スケジュールに余白をつくる

●1週間の「余白の時間」、1日の「怠けタイム」。捨てたはずの時間が、集中力を高めてくれる。